書
日々の仕事に忙殺されていると、つい心の余裕というものが失われてしまう。
他の人なら酒やギャンブルなどでストレスを解消させているのだろうが、
そんなとき僕は決まって墨と硯を取り出すのだ。
心のもやもやを削ぎ落とすように力を込めて、一心不乱に墨を擦る。
粗方擦り終わると、広げた半紙の前に座り深呼吸を数度繰り返す。
筆に適量の墨を染み込ませたら、自身の心に溜まっていた言葉を
ただ夢中で半紙に書きなぐる。それだけだ。
さて、早速。
ふーっ。いやあ、けっこう書いたなあ。
これだけ書けば、かなり精神も落ち着いてきて良い気持ちだ。
非常にスッキリした。
おっと。
この前行った道後温泉の写真を、ツイッターにまだ上げてなかったな。
今のうちに上げておこう。
これでよし。
――数十分後
さっきのツイート、いいねはどれぐらい付いたかな?
かなり綺麗だから結構ついてるかも……
……。
は?ゼロ?
あー、そうか、そうか。そういうことなんだな、あーーーーー分かりました、はい、すっかり分かりました。
ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ………
ハァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!